ーAM 7:00ー 朝食、ミーソンへ出発
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 2日目がこの旅のメインとなります。

 昨晩は疲れていたしよく寝られると思いましたが、暑さのせいか、騒音のせいか、旅の興奮のせいか、そんなに寝られませんでした。

 目覚ましが鳴る前に起き、朝食会場へ向かいます。ほんとに旅の朝って目覚ましがなる直前に目が醒めるんだよな。普段からそうあって欲しいものですが…。
 朝食はバイキング形式でした。美味しかったのですが全体的に冷めていました。


 この日の午前はミーソン遺跡のツアーを8時から申し込んでいました。
 しかし朝食から帰って来ると、ツアーの予定表は間違いで、すでに迎えが来ており他のお客さんが待っているとの連絡が入りました。

 慌てて支度して車に乗り込むと、待っていたツアー客のおばさんに怒鳴られました。理不尽に待たされて旅の予定が狂ったのだからお怒りはご最もです。
 ただ私もツアーの工程表に最終決定日時と書いてあったから信じたわけで、正直怒られてもどうしようもない…。とはいえ悪いのは私の申し込んだツアー仲介会社だからガイドさんも悪くないし…。

 しばらく気まずい時間が流れ、これから待たされた客がどんどん乗ってくると思うと胃が痛かったのですが、タイムロスはなんとか挽回できたようで、次乗ってきた方々は特に何も言いませんでした。

 皆気を取り直したようで、ようやくツアーが始まりました。

 ですがこのトラブルが、結果良い方向に働くことになります。


ーAM 8:00ー ミーソン遺跡へ移動

 これから向かうミーソン遺跡は、現在は少数民族のチャム族が建造したものです。歴史の話は撮影ポケモンを選定する際にめっちゃ調べたので写真記事で解説します。

 ミーソンまでの車の中でガイドさんによる解説がありました。チャム族はベトナム人とは全く文化が違い、土葬ではなく火葬だったり、父より母が強かったり…。

 途中ベトナムの交通事情の話になりましたが、やはり事故は多いようで一年に何万人もの死者が出ているそうです。飲酒運転等の罰則はとても厳しいようですが、警察が厳格でないので見過ごしたり賄賂で許したりして取り締まりが不十分だそうです。


ーAM 9:00ー ミーソン遺跡ガイド
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 ホテルを出発して1時間半くらいでミーソン遺跡に着きました。

 向こうに見える変な形の山がミーソン(My son)で、神様の棲まう山として崇められたそうです。変な形の山をみて神様が住むと発想するのは日本も同じですね。宮島の弥山とか。

 日差しが強く暑かったのですが、気温自体はちょうどいいくらいでした。
 それになんと言ってもこの快晴。ダナンの旅計画は雨季の時期にも考えていたのですが、涼しく天気も良いこの時期まで延期して良かった。
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 ミーソン遺跡はアンコールワットのように都市と一体化してるわけではなく、僧侶や皇帝など偉い人がお祈りに訪れるためだけの宗教施設だったようです。ですので住居はありませんし、各建物の入り口も人1人がやっと通れる程度のものになっています。

 チャンパ王国は色々な文化から影響を受けており、インドや欧州、中国などいろんな建築様式が混ざっているようでした。

 ガイドの内容の中では特に煉瓦の話が面白かったです。
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 この写真の煉瓦、前者の黒ずんでいるのが30年前復元したのもので、後者の整然と並んだものがなんと1000年前のものです。
 いわゆるロストテクノロジーで、未だにこの煉瓦壁の作り方はよく分かっておらず、今なお研究中のようです。
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 あとは地域によって人気のある神が違うというのも興味深い話でした。

 チャンパ王国のヒンドゥー教は「シヴァ教」というくらい、チャム族はシヴァ神を厚く信仰していたようです。チャム族の住むベトナム中部は自然や気候が厳しいため、シヴァ神のような荒く逞しい神が気に入られ、食料豊富で安定した南部ではあまり人気がないらしいです。

 ところでガイドさんの日本語はほぼ完璧なので、てっきり日本に在住した経験があるのかと思いましたが、行ったことすらないようで外大で勉強しただけとのことでした。
 聞くところによると大学時代ものすごい勉強量だったらしく…。私も見習わないと…いやほんとに語学力がクソ雑魚すぎる。


ーAM 10:00ー ミーソン遺跡散策
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 ガイドが一通り終わって、自由に遺跡を散策、撮影します。

 もともと自由に動き回って見るのが好きですし、ポケモン撮影もじっくりできるので自由時間がちゃんとあるツアーはありがたいです。

 この写真に写ってるのはB,C,Dグループと呼ばれる場所でして、他にもいくつか遺跡が点在します。

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 これは3日目に行ったチャム彫刻博物館にあった立体模型図です。
 手前にあるのがB,C,Dグループ。そして自由時間に右奥のAグループと左奥のGグループに行きました。

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 Aグループはあまり復元がされておらず壊れたままの様相です。

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 Gグループは比較的最近になって復元された模様。私はAグループみたいに古いのがそのまま残っている方が好きですが…。

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 最後に劇場でチャム族の踊り的なものを見て遺跡を後にします。

 ミーソン遺跡、派手さはないですがベトナム中部に行くならば必見の価値はあると思いました。
 

ーPM 0:00ー ホイアンへ
 ツアー開始が遅れた際の話から、ダナンへ帰る際にホイアンを通ることを知ったので、途中で私をホイアンで降ろしてもらえるようガイドさんに交渉しました。

 するとホイアンで観光を終えたあとのダナンまでの送迎も買って出てくれました!(料金は2000円ほど)

 ホイアンは夜を見ないと9割損する観光地なので、夕方に帰る選択肢はありません。夜はバスがないのでタクシーになりますが、ダナンまで距離があるのでぼったくられた時の被害も大きい…。周りに他の乗客もいない一対一での交渉はずっと不安の種でした。
 タクシーと変わらない料金で安心してダナンへ帰れるのなら願っても無い話です。

 ただ、元々の予定では「ここで異国のタクシーを使う経験を積もう」と腹を括っていたので、迎えにきてもらえるのは甘えじゃないかとも思いました。
 でも不必要に危ない橋を渡りにいくのは私の価値観では考えられませんでした。

 それにこうなるのも巡り合わせ、何かの縁だというのが今までの旅で得た価値観です。

 ツアーの予定が間違っていて怒鳴られたり気まずくなったり大変でしたが、そのおかげでホイアン〜ダナン間の足を得て、怒鳴ったおばさんはお詫びとしてホイアンのお得情報をたくさん教えてくれました。

 思考停止で流されるままはよろしくないけれど、意地を張って流れに逆らうのは旅の興を削ぐ行為と思います。


ーPM 1:00ー ホイアン到着
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 古都ホイアンに着きました。

 ホイアンはチャンパ王国の時代からしばらく繁栄した港町でしたが、日本の鎖国や清王朝との対立、さらに隣街ダナンの成長もあって貿易港としては衰退していきました。
 一方でベトナム戦争の戦禍を免れ、美しい街並みが残ったため観光都市として復活しました。

 まずはツアー客のおばさんに教えてもらった情報に従い、観光案内所へ向かいます。
 そこには日本人スタッフが常駐していて、日本人用の地図や案内冊子がもらえ、レンタサイクルも受け付けているそうです。(TNK&APTトラベルという旅行代理店です。)

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 途中日本橋も通りました。

 最近日本人観光客が増えてるとはいえ、基本的にベトナムに日本語表記は存在しないのでカタカナを見るとなんか笑えます。

 観光案内所の日本人スタッフさんはとても親切にしてくださり、おすすめのカフェやランタンが綺麗な場所を教えてもらえました。
 それと無料でもらえる地図やガイドブックが素晴らしく、ダナンの情報も充実しており旅が終わるまで重宝しました。

 夜まではかなり時間があるので自転車もを借りて散策することにしました。事前に聞いてはいましたが、ほんとにオンボロでした。


ーPM 2:00ー 昼食
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 昼食がまだだったので、ホイアン旧市街から外れた川のほとりにあるカフェにやってきました。

 疲れたので落ち着けるカフェに行きたいと言って教えてもらった場所です。バイクや人混みの喧騒もなく、自然と一体化したカフェで素敵な場所でした。

 日本人スタッフもいると聞きましたが、この時は見当たりませんでしたね。まあ注文できれば良いんですよ。

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 お腹も空いていたのでガッツリ食べたいと思いカレーを注文しました。なぜか写真撮る時フタを開け忘れましたが、具沢山でめっちゃ美味しかったです。
 昨日ちょっと苦手意識を持った甘いスパイスも程よいくらいで、素材本来の味が出ていました。

 ついでにマンゴーのスムージーもいただきました。これも美味い。

 ホイアンで自転車を借りた方にはオススメのカフェです。「U cafe」と検索すれば出て来ると思います。


ーPM 3:00ー クアダイビーチ
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 美味しいランチを食べて体力も回復したので、自転車で散策します。

 向かったのはホイアンを北東に5kmほど行った場所にあるクアダイビーチです。オンボロ自転車だと30分くらいでしょうか。

 ところでベトナムの道路を自転車で通るのはやはり緊張感がありました。身の危険を感じるほどのことはありませんでしたが、やはり交通量とクラクションが凄くて…。

 油断すると日本の癖で左側を通行しかねないので、余所見や考え事はせず集中して運転しました。オンボロチャリも最初ペダル踏んだ時は不安しかありませんでしたが、いつのまに体に馴染んでいました。

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 ビーチに着きどこに駐車するかと困りましたが、割と自転車の観光客は多く、みんな適当に停めていたので横に習って止めました。

 雨季が終わったばかりのせいか、海は濁っていてそれほど綺麗ではありませんでした。元々この時期は期待出来ないと聞いていたので…。海目当てで来る方は4月くらいが良いと思います。

 相変わらず快晴だったので海の向こうにチャム島とダナンの街並みが見えましたし私は十分満足でした。とりあえず夜まで時間を潰すために土嚢の上で30分ほど黄昏ていました。

 ビーチにもトイレがありましたが、有料らしく5000ドン取られました。日本円にして25円くらい。汚いトイレですがこのくらいは当然ですかね。

 この時「5」と金額を表現されたので、ベトナムは1000ドンが一つの値の基準で、5000ドン等は普通「5」とだけ言うのだということをようやく理解しました。
 思えば値段表記も「120.000」というように、1000ドンでピリオドがあるので「12万ドン」と数えるより「120千ドン」と捉えた方が分かりやすそうです。
 ちなみに「5600ドン」のように細かい値のついた商品も売店で見かけましたが、1000ドン未満のお釣りは当然のごとく切り捨てられました。


ーPM 4:00ー ホイアンの文化財
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 ビーチからホイアン市街に戻り、まだ外は明るいですが自転車を返却してホイアンを歩いて観光することにしました。

 ホイアンの文化財は120千ドンでまとめて5カ所見れるチケットが販売されています。旧市街の入り口に何カ所かチケット売り場が点在しています。

 上の写真はたしか徳庵家という民家でした。ガイドもなく、私も建築にはそこまで関心がなかったため詳細は分かりませんが、中華の影響をかなり受けた建物のようです。

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 他にも通り道にあった建物は一通り観光しました。


ーPM 5:00ー 夕食
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 その後おされなカフェに入って夕食を取りました。

 夕食の時間としては早いですが、ダナンに帰ることを考えると夜はそんなに時間がないし、観光や撮影で忙しいと思うので暇な今のうちに腹ごしらえをしておこうと思いまして。

 相変わらず店に入る時におろおろしてしまいますが、これは海外だからというより日本でおされなカフェに全然行かないせいだと思います。経験値が足りなさすぎる…。

 カフェではコーヒーとチキンライスを頼みました。

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 先にコーヒーが謎の装置と共に届きました。
 使い方がわからず困惑しましたがネットで調べたら出てきました。とりあえずコーヒーがドリップし切るまでゆっくり待つとのこと。

 ベトナムコーヒーは酸味が少なく苦味が強くて私の好みの味でした。コーヒーは好きだけど専門店で飲む様なことはしないので、今後色々飲んでみたいなと思います。

 チキンライスは上の写真のように一見サラダにしか見えませんでしたが、掘ったらターメリックライス的なものが出てきました。普通に美味しかったです。

 カレーやチキンライスなどはベトナム感があまりありませんが、日本で知られているメニューでも味付けや具材はまるで違うので、とりあえず美味しそうなものを注文すれば幸せになれる気がします。

 暗くなるまでカフェでくつろぐつもりでしたが、トイレにも行きたくなったし明るいうちに撮影の下見に行こうと思ったので、店を出て向かいにある有料トイレへ。
 なんとこのトイレ、ウォシュレット付きでした。まさかベトナムでこんなトイレに出会うとは…TOTOは偉大。

 トイレ前のおばちゃんにお金を払ったらお釣りが1000ドン足りませんでしたが、細かいことは気にしません。むしろここで身の不幸や不運を消費して残りの旅の安全を祈ります。


ーPM 6:00ー 夕暮れのホイアン
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 絶景哉。

 小さな橋を渡ってランタンが綺麗なナイトマーケットに向かいます。ライトアップ前でも橋からの景色は既に絶景でした。
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 夕暮れのホイアンは写真でみるよりももっと綺麗ですよ!

 また、ナイトマーケットを歩きながら撮影スポットを探します。

 ガイドブックの写真にあるような一面に並んだランタンはマーケットの入口の方にしかないようです。シャンデラの撮影場所をそこに絞り、暗くなるまで河川敷でのんびりすることにしました。


ーPM 7:00ー 夜のホイアン
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 夜のホイアンの美しさはもはや言うまでもないでしょう。

 一面に飾られたランタンはおそらく写真でみた方が美しく、実際はまあ綺麗という程度ですが、
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 このようなホイアンの街並み全体の夜景は、実際に見ると雰囲気に圧倒されるものがあります。

 私はロマンチックとは無縁の男ですが、そんな私でもここで恋人と訪れたら凄く素敵な思い出になるだろうなと思ってしまうほどです。

 恋人がいる方にはぜひオススメしたいですが、昼までは騒がしい街なのでそれまでの時間をどう雰囲気壊さずに過ごすかが大変ですね。私が行ったカフェやビーチは人も少なめでオススメですよ!
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 帰りはホイアンの景色に見惚れながら街をブラブラしていました。

 ホイアンは一応毎月ランタン祭りがあるようですが、もしかして今日もランタン祭りだったのでは?と思うくらいの盛り上がりでした。
 観光客の多さももちろん、ホイアンの住民も露店を出したり、光るおもちゃを実演販売したり、船や灯篭を川に浮かべたり…。良い意味で賑やかで楽しかったです。


 ところでこのホイアン散策、カフェやランタンの見所、有料トイレの場所に至るまで全て観光案内所での話と貰った地図で知りました。
 もし私が時間に遅れず、おばさんが怒鳴らなかったらどうなってたことやら…。

 勿論怒鳴ったお詫びでなくても親切に教えてくれたかもしれないし、自力で案内所を見つけたかもしれない。けれど本当巡り合わせというか運命というか、旅をするといつもそんな不確かなものを実感させられます。


ーPM 8:00ー ダナンに帰って2日目終了

 ところで、紆余曲折ありながらホイアン観光は順風満帆だったように旅行記を書きましたが、実は心中穏やかではありませんでした。

 というのも、実は今朝急いで部屋を出たせいでカバンには予備バッテリーも胃腸薬もなかったのです。

 充電が切れたら迎えを呼べないし、食べ物に当たったら薬もないし常にハラハラしていました。
 ついでに私が愛用している「ムヒα EX」もないので蚊に刺されても冷やすしか対処法がない…。

 さらにチップも置かず、貴重品の一部も部屋のバックパックの中。部屋も散らかったまま外に出てしまいました。
 安いホテルにおいてチップは「お金払うから荷物は見逃して」という意味合いもあると言われており、部屋が散らかっている上、チップもないとなると荷物の一つや二つ盗まれてもおかしくない…。

 今更早く帰ろうが何も変わらないのですが、とにかく早く帰って荷物を確認したい。あと蚊に刺されて痒い腕に早くムヒαを塗りたい。今か今かと帰りの車を待ちました。


 ・・・部屋に帰ってドアを開けるときは祈るような気持ちでした。
 確認すると、荷物は無事でした!

 そもそもベトナム基準で言えばそこまで安いホテルじゃないし、チップ文化もそんなに根付いてないし、杞憂だったかもしれません。
 ですがその時の私は滅茶苦茶心配していたので、無事を確認した時の安心と感動はひとしおでした。

 明日帰るときはちゃんとチップを置いていこうと心に決めました。

 ムヒαはゴミと間違えられ処分されていました。


<ベトナム編リンク>
旅行記について

1日目 〜ダナン〜
 →リザードン @ドラゴンブリッジ

2日目 〜ミーソン遺跡・ホイアン〜 ←イマココ!
 →アーボック @ミーソン遺跡
 →タマンタ @クアダイビーチ
 →シャンデラ @ホイアン旧市街

3日目 〜五行山〜
 →ゴウカザル @五行山

旅まとめ